目次
そのひとの呼吸
し(本をあらう;海のないて;口ご;薄青をそそぐ;ふふ)
わたし(かたみ;はだから;ひとひと;みずかき;つぐなう;にているものたち;きみがいない)
ふゆ(ふゆ;ひかり;空の形式;ふゆのひ;ふらない日にも)
待つこと(そだてる;いて;夕ぐれのむこうまで;わたしたちはこたえなかった;ひざしのなかで;けものと言葉)
著者等紹介
張文經[チョウブンケイ]
1996年生。東京大学大学院在学。「上陸」同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
里十井円
2
「えいえん と初めて口にしたひとは/どんなふうに畏れていたのだろう/どんなふうに命を失ったのだろう/わたしはきっと、/ほんとうは/生まれる前から言葉をもっていた、から/いなくなった人たちの名前がすべて呪いになる/柑橘をむいたあなたの、指のふるえであっても」(「ふゆ」より)2024/02/16
あい
0
暁方ミセイさんの美しい紹介文に惹かれて読了。 私にはアイドリングが必要な詩集だった。 一見、薄味で、刺激が少なく、最初は退屈だと感じた。時々、手に取っては一遍ずつ読み進めていたが、半分くらい読んだ頃か、ようやく、その雑味のない味わいを感知できるようになってきた。一度その状態になると、驚くほど心理状態によく馴染む詩の数々。 乾いたシーツの上に横たわりながら、現実にはなかった記憶を巡るような、何とも言えない憂鬱だ。 ぜひ、再読したい。2025/05/12