内容説明
「遠い庭」はこの地上でありながら全く見知らぬ宇宙だ。離れたところで合図を交わし響き合う小さな出来事たちのざわめきに満ちた消失そのものであるような風景が突如顕現する。待望の最新詩集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kentaro mori
3
俳句的である、というよりも、ロラン・バルト『小説の準備』で紹介されている「俳句」のようだと感じた、それは日本語の俳句をフランス語に翻訳したものをさらに日本語に翻訳したもののような。⚫︎誰もいない/浜に風が吹いていて、その/風を聞く人がいない⚫︎ようよう、明ける/夜の闇が/後退して/波の向こうから/光が/死んでいこうとする2024/08/26
sk
3
遠い庭に降る雨粒のようだ。2023/06/06
komamono_rimi
0
「着物を、見ていて それが/人の体に/まつわりつく/少しずつ/燃えてゆく/灰を/風が/吹く」(48頁) 「かつて、何かだったものの/形が残っていない/粒子状の/何かの、記憶/風に/流れてゆく」(49頁) 「抜き取られた花の根の/繊毛が歌を歌う、」――以下略(113頁)」2023/11/07