出版社内容情報
鮎川の言葉が今も力を持つのは、自らの体験と〈他者〉や〈歴史〉を架橋しようとする時、個に内在する普遍を探る過程が〈詩〉として立ち上がるからではないだろうか。その過程は至る所にある。 (「おわりに」)
鮎川信夫の詩とは何か。初めて明らかにされる、「向上之青年」など父親の雑誌との深い関わり、戦争と〈荒地〉理念の根源、詩友・森川義信、夫人・最所フミとの位相、詩の断念の真相……。
日記や証言などの新資料から論究する、ラディカルな詩人像!
可能性としての〈荒地〉へ―。
カバー写真=上田義彦
装幀=間村俊一
樋口良澄[ヒグチヨシズミ]
著・文・その他
内容説明
鮎川信夫の詩とは何か。初めて明らかにされる、「向上之青年」など父親の雑誌との深い関わり、戦争と“荒地”理念の根源、詩友・森川義信、夫人・最所フミとの位相、詩の断念の真相…。日記や証言などの新資料から論究する、ラディカルな詩人像!
目次
第1章 詩の初源・初源の詩
第2章 モダニズムとソフト・ファシズム
第3章 “荒地”の発見
第4章 戦下の覚醒
第5章 再生と出発
第6章 “戦後”の位相
第7章 詩的共同性の凝集と解体
第8章 放棄と否定
第9章 “単独者”の位相
第10章 難路の途上で
著者等紹介
樋口良澄[ヒグチヨシズミ]
1955年東京生まれ。「現代詩手帖」、「文藝」などの編集に携わり、岩波書店編集部を経て、関東学院大学国際文化学部客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
チェアー
8
評伝というより、鮎川信夫の内面を作品や証言などから再構築し、分析する作品。詩にはまったくうといので、そもそも鮎川がどれほどの巨人だったのかも分かっていない、基本的な作品や詩の世界の流れも分かっていない、となるとわからないことだらけ。知っているのは荒地の詩人であったことだけ。でも、最所フミとの謎の結婚生活や加島祥造の証言、などは面白かった。というかやっぱり作品を読まないとだめだな。はい。2016/09/20
3
最所フミとの関係が論じられているのは良い。荒地の「ゴッドマザー」としての彼女について、まだまだ論じられている部分は少ないとはいえ、鮎川信夫の「単独者」への転回=転向を考える上で参考になる。80年代以降の吉本隆明との対立からネオコンに接近していくがそこには彼が「一つの中心」を求めていたのではないか。しかし、「一つの中心」が「うまく論理化できないまま直観的に言ってみたのではないか」(北川透)というような不確かなものであろうとも(それゆえに?)そこに「来たるべきもの」(=「アメリカ」)を見出そうとする。2017/01/27
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