出版社内容情報
勇士と数奇者の血脈、道心への傾きと二十三歳での出家。複雑にうつろう時代に生き、矛盾や相反もなまなましく共存させた歌人・西行の、全身的な「我が心」への問いと生き生きとした現実感が融け合った数々の名歌から、若き日の自己形成劇を凝視する。幼年から崇徳院没後の讃岐の旅まで、畢生の長編評論。
粟津則雄[アワヅノリオ]
著・文・その他
内容説明
勇士と数寄者の血脈、道心への傾きと二十三歳での出家。複雑にうつろう時代に生き、矛盾や相反もなまなましく共存させた歌人・西行の、全身的な「我が心」への問いと生き生きとした現実感が融け合った数々の名歌から、若き日の自己形成劇を凝視する。幼年から崇徳院没後の讃岐の旅まで、畢生の長編評論。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はちめ
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専門分野ではないので多少の思い込みがあるように思うが、西行という歌人が人を引き付ける力には改めて感心させられる。できれば専門のフランス文学や現代の詩人との比較文学的な記述があった方がこの本の読者としては新鮮味があったと思う。2016/07/25
はちめ
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本書の特徴は様々な歴史文献を参照しつつも、最終的には西行の詩歌作品から得られる印象を重視しているということ。その作品の制作年次の推定においてもこの考え方で貫徹している。その考え方に基づき概ね制作年代順に覚書を記した結果として、出家出奔前後までで予定の枚数の大半を費やし、後半生についてはあまり触れられていない。後書きにもあるが、続編が待たれる。☆☆☆☆2018/04/10