感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Moeko Matsuda
5
しばらく積んだままになっていたこの作品、ふと思い立って読みはじめたら、止まらなかった。迷い込んでしまったのは、冥界か、悪夢か。水面を見上げる、その視線は水中から投げられているのか、あるいは水面のこっちが水中なのか。対になるあらゆる概念が溶け合い 渾然となって、しかし永遠に一体になることはない。しんとした孤独と恐怖に満ちた作品のなかに、懐かしさと安らぎをも感じてしまう不思議。最近になって詩集を手にする機会が増えたが、その中でもこの作品は(私の認識の中に)流星の如く現れた傑作だ。2022/05/03
-
- 和書
- 地形と地質 さっぽろ文庫