目次
未読の街
ひかりの分布図
夜の(半減期;いちばん弱い時間にまねかれている;箱(はこのうさぎ;星の(闇;白い街 青い光;星の(半減期;胡桃(くるみのとき;星の(光の;逆さまの空;窓に(セカイが流れて;夜の(とほい空でぴすとるが鳴る;一本の桜が世界を受信している 詩客ばーじょん;一本の桜が世界を受信している 耳空ばーじょん;虹の廃墟;震電;空の(針;胡桃(のち雨;二時間の風景
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わんにゃん
4
「時間はいつだって凶器になる。」自分でもどこに惹かれたのか全く分からないのだけれど、何故かすごく感情移入出来た詩の集まりだった。読んでてこんなに「さみしい」と感じた作品は初めて。世界観が確立されてて素敵なのでオススメです。★★★★★2021/02/04
わんにゃん
3
3度目。今回は「未読の街」からなんだか苦しい。また、今回は新たな発見が多かった。これは星の声なのかな、等。他にも、誰かが「胡桃(くるみのとき」は量子論を踏まえていると考えていたけれど、今回でなるほどな、となり、更にこの作品以外でも意識されているなと感じた。存在とは、なんなのか。2021/03/02
Cell 44
3
(星の)存在が光の到達から遡って得られるように、過去の星の光が未来において到達する/したように、「わたし」も「あなた」も「言葉」もそれ自身に遅れ、ずれ、括弧でエコーしつつ自らを失いながら世界を滑る。「放火魔はわたし(逃げられない/(ライターもマッチも持って(いないけどわたしだ(うん、そんな気がする/その前は人魚だったの/(と意識の波間から顔を上げる/わたしは女子高生だけどあなたのものじゃない(です放火魔です/わたしはわたしのものでもないけど(これはモブキャラだから(でも放火魔」(「窓に(セカイが流れて」)2021/02/26
わんにゃん
2
「深夜/まっ白な風船をもって/たくさんのわたしが横断歩道をわたっている/信号が点滅しはじめる/うさぎは心配でたまらないもうすぐ赤になるのに声がでない/あなたに知らせる術がない」「かえれない未来/かれらはどこへ行ったのか」。「死んだ未来にまがり角で出会う/はたしてこれは/何千年も前に壊れた星のささやきなのか/夜明け前の夢を見ている世界のかけらなのか/もうすぐ消える星の記憶(の終わりの光景なのか/わかりはしないが/ぼくらわたしらは遅れる光(遅れつづけて(遅れていく光」。再読。やっぱりかなしい。悲しいではなく。2021/02/15