出版社内容情報
わずかにわかりあえた瞬間にだけ
指先に触れた ごつい荒縄
潮をかぶった
綱手
かなしも
(「ジュリオ・ホセ・サネトモ」)
詩を脱ぎ捨てんと
「初夏(はつなつ)の海を/船がゆく/漂わず/浮かぶこともせず/詩を脱ぎ捨てんと/急ぐ船」(「黄金週間」)。
一人になって、裸になって家を出る。詩の焦土を踏みしめて書き継いだ、十数年にわたる試行から精選20篇を収める、待望の新詩集。装幀=中島浩
小池昌代[コイケマサヨ]
著・文・その他
内容説明
一人になって、裸になって家を出る。詩の焦土を踏みしめて書き継いだ、十数年にわたる試行から精選20篇を収める、待望の新詩集。
目次
とぎ汁
ジュリオ・ホセ・サネトモ
香水瓶
釣りをした一日
なう
皿の上のこぼれたパンのくず
海老の神社
石を積む
しくじりの恋
雨を嗅ぐ
門司海員会館
けんちん汁を食べてってください
群れ
ここにはない
地鳩の目
赤牛と質量
八角の妻
浦を伝って
黄金週間
父
著者等紹介
小池昌代[コイケマサヨ]
1959年、東京に生まれる。1988年、第1詩集『水の町から歩きだして』刊行。以後、主な詩集に『永遠に来ないバス』(現代詩花椿賞)、『もっとも官能的な部屋』(高見順賞)、『ババ、バサラ、サラバ』(小野十三郎賞)、『コルカタ』(萩原朔太郎賞)など。小説『タタド』(表題作で川端康成文学賞)、『たまもの』(泉鏡花文学賞)など、著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
15
ふと、こんなことを思う瞬間が、日々の暮らしの中にある・・と、最初の読後感だ。人は、ふと振り返ることで、自分の、自分の周囲の見方が変わること、気づくことがある。自分の立ち位置はどこにあるのか?2018/12/28
舟橋純
4
この詩集むずかしすぎるよ!2025/04/29
kana0202
3
アフリカに横たわる豊かな鉱脈 ああダイヤモンドは 黒い肌につけてこその宝石だってこと2020/01/15
mick
3
あらためて詩は難しいと感じてしまう。書いてあるままを受け入れようとすればするほどあれこれ考えてしまうがそれも詩の力か。2019/01/15
エイサノオト
2
いい人がつくった朝食がまずかったんだなあ。2019/01/12