出版社内容情報
ふとふり返ってみれば、
今しがた通りぬけてきた細い路が、
そしてこれから通るはずの路が見当たらなかった。
(「その路地をぬけて」)
珠玉の散文詩集、37篇
「臭気芬々とした汚泥のようなそれら堆積物を少しずつ取り出し、辛抱強く捏ねあげ、かたちを整え、息を吹き込み、辛うじて世間に通用する言葉というものに換えて、ふたたびこの世に旅立たせてやりたい」(「ひとりでいると」)。
しなやかな詩心が、記憶と日常を重ねて瞬間をとらえる。あらゆる虚飾を排し、凛として佇む37の詩篇。
装幀=清岡秀哉
岩坂恵子[イワサカケイコ]
著・文・その他
内容説明
初めての散文詩集。全37篇。
目次
その路地をぬけて
雑木林
車善六
堤防で
豆腐
ひとりでいると
ノシメトンボ
凧を揚げるおばさん
この世
黄葉―一本の山もみじの木に〔ほか〕