出版社内容情報
私はいつも思う。
石油のように
清んで美しい小便がしたい と。
しかも火をつければ
燃えるような力を持った
小便がしたい と。 (「私はいつも思う」)
夭折の詩人ふたたび
「死と戦わなければならなかった。そこには死と自分だけしかなかった。そこから個人的な真実、祈りが生まれ、それが詩となって表わされた」(「第一に死が」)。
21年の生涯に、病苦と闘い死と向きあいながら、透明な抒情わ湛える詩を書きつづけた矢沢宰。
没後50年、その精神の力強さを伝える、決定版アンソロジー。
矢沢宰[ヤザワオサム]
著・文・その他
内容説明
21年の生涯に、病苦と闘い死と向きあいながら、透明な抒情を湛える詩を書きつづけた矢沢宰。没後50年、その精神の力強さを伝える、決定版アンソロジー。
目次
1(ききょう;一本のすじ雲;こぶしの花;鮒 ほか)
2(一人の人間として;ポイ!とね;自分は;希望 ほか)
3(帰って見たい;空が好きだ!;枯れた菊;友よ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わかな
6
没後50年を記念した新詩集。まだ途中なのですが、あまりに素晴らしいので、一足先に。詩人でもあったアンパンマンの作者、故やなせたかし先生が、「ぼくは矢沢宰の詩が好きでたまらない」と絶賛されていたとのこと。ごく平易な言葉、素朴な比喩で紡がれた詩が多いのですが、美しく広がりがあり、強く胸に響きます。入院生活が長く、ときには激痛を伴う重病な身体でありながら、空や風や花をうたったその言葉は、驚くほどに健やかで、著者の屈強な精神力をうかがわせます。21歳で早世したことが、ほんとうに惜しまれます。2017/01/08
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