内容説明
2014年現代詩手帖賞。
目次
コンフュージョン・イズ・ネクスト
椅子
濃いピンク
8.28.1963
ペットボトル
グラフィティ
腐葉土
三月
N・Dに
声
渚にて
赤い花
発声練習
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
misui
9
改行や読点によって叙述が飛躍する、それが詩にリズムを生み出していて、小刻みな運動に身を任せるような読み心地。あるいはそのずれていくリズムが旅の様相を呈しもし、旅/運動の中で刹那を言葉にしようとする切実さ、もどかしさが常にある。なんとなく、アメリカから詩誌へ投稿を続けたというのにも納得する。「むこうのほうからは/明けはじめた水平線が見えるのに/ただこの地球に/立ちよるなんてことがあっていいものか/立ちよるとしか言い切れない短さを/どうやって/口にすればいいのか」(「発声練習」)2016/01/05
mer
8
そもそも詩は1回読んだだけじゃ理解できないと思ってるけどこの詩に関しては5回読んでもまだ理解できなそうな、そんな難解さがあるように感じる。一つ一つの言葉選びがとても素敵だなと思った。2020/12/03
;
5
白い重みに傷ついた枝を/腕をのばし ほどこうとする/きみのからだからは/氷のとけるおとがするけれど/雪にあとがつくように/さわったところがへこんだりはしない/はやくも夏時間にかわった、三月十日 あの日曜/ひらけた場所で/やわらかな土に鼻をうずめ/たおれた馬が/空をみてた しばらく、両目を/とじて まばらないたみを、すいこみ/雪に焦げた、枝をおく/ゆっくりあたたまってくからだから/動悸が やんで (「三月」)2018/03/17
kentaro mori
2
⚫︎そっけない、でもやっぱり/血がかよってる/靴のなかで指がぎゅっとまるまる/すみきった/ひときわふかい断層にみとれた/だけど/ざらつくおとのほか/なにかきこえていたか(椅子)⚫︎ふるえてちいさい/なくな/このしずかな新緑にあらわれる/ずっとまえから/かれの声は/熱をおびてるようにおもう(8.28.1963)⚫︎ここにあるものと、ありえたもの、その/揺らぎに身体ごと奪われる/だれかがいつか忘れていった声に/ふるえる瞬間がある/蛍光色でさけぶ/汚れたアルファベット/下が透けて見えるわけじゃない、ただ/2025/07/27
メデスキ
1
言葉そのものに強さが無いのが物足りないところだが、たとえば「声」での< 舗道で はだしのきみと、すれちがった 小さくわめく鉄のゴミ箱 ダンク 息もつかず ハイヒールをぶちこむきみの 不穏なまなざしが とうとつに 雲間からさしこんでくる > あたりなんかが、この著者の個性、つーか肝だと思う。言葉じゃなくて、画で勝負する人。
-
- 和書
- 夜と霧 (新版)