目次
1 (壁男;バラ男;ランドリー;配達夫;未決囚 ほか)
2 (椿の旅;捜私記;曲馬;自転車;積石塚 ほか)
著者等紹介
吉田博哉[ヨシダヒロヤ]
1933年東京都新宿に生まれる。「日本現代詩人会」「光芒」「新芸象」同人、「GANYMEDE」寄稿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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新田新一
14
水色を基調にした幻想的な装丁が美しい詩集です。ⅠとⅡに分かれていて、Ⅰには普通の詩、Ⅱには物語性のある散文詩が収められています。ほとんどの詩が夢と現実の境を表現したもので、読んでいると幻想的な世界へ引き込まれていきます。サーカスの少女のことを描いた「曲馬」が一番印象に残りました。私は墓参りしながら、馬の上で逆立ちする少女を見たことを思い出します。その時に、サーカスに連れて行ってくれた母のことが浮かんできて、過去と現在が交錯します。シャガールの絵のような、郷愁と切なさを感じる良い詩でした。2024/01/02