内容説明
生きていれば、さまざまな事がある。すべてが、誰かの見た夢の中の出来事であったとしても、それはそれで構わないのだ。夢とうつつのはざまで揺れ動く、幻惑の31篇。
目次
瑞兆
桃の村
白狐
吉凶
一生
西片町
大吉
朝の鶴
狸屋
夏の月〔ほか〕
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gu
5
著者の他の作品と比べると緩いというか、あの世に近づいたぶん追いつめられるような感じは薄れているというか。夢見つつ夢見られて、それはどちらだろうと構わないという境地。もっとも好きなのは『涅槃』かな。 「つまり、この世の一切が、もう終わっているものになって、目も鼻も口もないまま、自分のこれまでの不甲斐ない一生をかんがえているだけになるらしい。 何一つ、いいことのない一生だった。他人のなかで、うまく立ち回ることだけをかんがえて、犬のように、暮らしたが、結局、何も手に入らなかった」2015/04/08
Cell 44
1
相変わらずの作風に相変わらず恍惚としている自分が、これらの詩に出てくる人間たちと重なる一瞬があった。2014/06/07