内容説明
詩人と、犬と、ことばと、ひかり、その交差するゆらめき、その歩行。もう戻れないところに来てしまった私たちへのささやかな祈り、25篇。
目次
1(through;away;without;behind;together ほか)
2(別のプラットフォームへ;南へ;時間;ゆっくりと目を;サン=ルイ島へ渡りながら ほか)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rou
10
平易な、素直な言葉で3.11の後(afterward)、置き去りにされた傷を腑分けし、掬い取り、次へと扉を開く。傷の後の私たちには不穏やスピードや闇や光があるけれど。それを言葉で照らさなくては。2018/10/25
浦
8
再読。美しい本だ。紙・装丁も、作品も。吃水都市の雰囲気が詩としては一番好きだが、年齢を重ねた結果か、自分自身にはっとする言葉が、ふと出てくる。図書館でリクエストして買ってもらった本なのだが、正直、自分の本棚にまず迎えなかったことを後悔している。 2017/05/13
浦
6
松浦寿輝の詩集。今回は散文詩ではなく改行がある自由詩。前作と比べてわかりやすいことばで素直に内面が描かれていて、まるで音楽の歌詞みたいな部分もある。小説より詩はさらに、作者の考えの変化が伝わりやすい形式。だからこそ面白い。2016/11/10
林克也
3
詩には読むタイミングがある。体調、脳の調子、自分と他者との関係、世界の空気、そんなあれやこれやが合ったときに読むべき詩に出会うと心の栄養になる。 なぜなら「その後」をなおわたしたちは/生きつづけなければならないから~afterward2015/05/23
めまい
2
リズムが素晴らしくてとても心地が良い。軽い。メッセージ性が強くない。なのに、日常で接する戸惑いや躓きをきちんと拾っていく感じ。繊細すぎないのも良い。2024/05/31