目次
雷鳴語による新しい音楽
宙に消え入る歌
ミト
破氷の陸
(Silent)Hymn
遮音室
二度は燃えないゴミの詩
Lullaby
つぐみに訊いた、いくつかの讃歌
春はふたりぼろバスの最前に飛び乗って盛大に燃やすゴミの詩〔ほか〕
著者等紹介
白鳥央堂[シラトリヒサタカ]
1987年、静岡県生まれ。第1詩集『晴れる空よりもうつくしいもの』で第47回現代詩手帖賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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4
淡い水色の薄いカバーに包まれた本には小さく慎ましげに印刷された文字が息づいて、そこでは高度な修辞と無防備なほどのセンチメンタリズムが絡みあい、星々のひかりを呼び寄せながら繊細な身体がかたちづくられる。物語の未生を目前に零れ落ちるものを手繰ってなんどでも書きはじめられる言葉は歌に似て、歌にならず、「晴れる空よりもうつくしい」。2019/01/27
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3
あなたの詩が若草を結ぶ手元でさいしょから崩れているとき/いもうとをひとつのかたちにすることばさえ あなたのてもとにあったことはない/えぐられるよりはやく いっさいがくずれていくオーロラの羽根の部屋なのだから/いもうとはけしておとずれない 彼女は永遠の書記のなかで、詩篇の部屋をえぐりつづけて/あなたは/なにひとつ明け渡せない(「晴れる空よりもうつくしいもの」)2018/03/11
sk
3
恐ろしいほどポテンシャル高いよな、と。2014/01/19
1
再読。久しぶりに読み直していて、『ロング・リリイフ』の頃の松本圭二を続けていたら、こういう感じになるのではないかと思う(わざわざ「the vanishing poems」と出しているぐらいだし……)もちろん、松本自体も稲川方人の詩法を辿りな直しながら書いているのだが、ある意味では中尾太一にしても、白鳥央堂にしてもこの年代の若い詩人への稲川方人の影響力というものを実際に詩を読むと実感する。2021/07/07
Cell 44
0
「さようなら草原のひとつあかり、ちいさな家の、きれいな結び目よ。/ただひとりのいもうとよ。/ほふられた空を、雲と書いてながすことも。/えぐられた海を、光と書いてながすことも。/もうおしまいだ。」(「晴れる空よりもうつくしいもの」)「あるかよ/さよならっていうことが、あるのか」「終わる、ということがあるものかよ」(「亡羊と、ぐりぐりのきみへ」)と語られ、遠くに見えてくる揺れる灯のような「さよなら」や「終わり」。2015/08/11
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