内容説明
不滅のもの―生きることの幻の影を追って、人間の果てしない思いの深さを、身体のゆるやかな音色で奏でる。比類なき豊饒な時間の厚みを獲得した21篇。
目次
珊瑚の岩の神の
ふるさとへの天空航法
半世紀後の夏
エビアンの叔父
藁のなかの牝鶏
死の教えあるいは
岸辺
この椅子に坐って
石と死者
不滅あるいは囲むということ〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
林克也
1
読むほどに、見るほどに重さを増す言葉たち。それぞれの詩1篇1篇が主張する意志に、ふと気づかされる瞬間がある。 ところで、「明日」と題する1篇、まるでロジャー・ウォーターズの詞のような詩だ。2013/11/03
charlie_
1
最近還暦と云うことをなんだか考える、たいした考えにまとまる訳ではないのだが。。佐々木幹郎詩集『明日』が楽天から届いていた。以下引用〜 けっして名乗るな、架空のなかを生きよ。Cはいまだにそのことを考える。死者はやってこなかった。その確信こそCの位置である。 〜引用終り、以下引用〜 言葉を失うこと。黙ること。名指すことのできぬもの。あれを死なしめ、これを殺し、それを憎む。どこに言葉はただよっているのか。Cは考える。 〜引用終り。この「死者と石」と云う作品がとりあえず一番好きです。還暦は回帰? 2012/12/15
木原裕樹
0
時間の幅を持った情景。露光時間の長い写真をいくらかみたくなった。やわらかい空気の中の瞬間的な色、に敏感な状態で、再読したい。個人的なことだが、ある女性とどうしたもんかという最中で、かといってお腹は空くもんで莫迦莫迦しいのだが、ひとまずキャンプに行って焚き火をしようと決めた。2014/01/16
天来
0
おおが 過ぎゆく時間の儚さが凝縮されたような言葉の群れだった。2020/12/07