内容説明
響きあい、混りあう言葉と言葉、影と影。二つのテキストが、詩と批評の臨界を見据えるとき、そこの詩の肉体とも言うべき生の肌理が現前する。
目次
儚いもののあでやかな輝度をもとめて(果てへのはじまりあるいは晶度を;なおも狂れゆく塵の漂泊;余剰に憩うひとときの投身にて;ただゆるやかに夜の記録は波立つ ほか)
秘めやかな共振、もしくは招かれたあとの光度が水底をより深める(汐の彩色、しめやかな雨にながれる鍵と戸と窓―河津聖恵「シークレット・ガーデン 今しずくをみつめている人のために」に寄せて;旅の記録、もしくは越境の硬度について―入沢康夫「旅するわたし 四谷シモン展に寄せて」に寄せて;狩るものと狩られるもの、または裸出する根の動と潜―広瀬大志「メルトダウン紀」に寄せて;伝言と伝説、ゆかしい接岸にきざされる春の照度―中村恵美「伝説」に寄せて ほか)