内容説明
「忘れられたひとびとの耐えた思いが、いちばん忘れやすい日常にひそんでいる」という。月が雲に隠れて視えない状態を古人は「無月」と呼んだ。視えなくてもあるということ、ひとの生きていくことにひそむ、気配をこそ書きとめたい。その強い願いによって編まれる第三詩集。
目次
無月
月光海道
甘露
感傷
くねらせるもの
海餐
みずうみ
芒種
枕
野帰り
春の石
箒星が弧を描いて堕ちてゆく
交叉
青火
八月の馬
砂山
流れる
入り海
海辺の子牛
うまのあしがた
雨
なのはな
著者等紹介
斎藤恵子[サイトウケイコ]
「火片」「どぅるかまら」所属。岡山市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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