内容説明
詩的出発を共有した岡田隆彦の死に際して、詩人は「まさに時に岸なし」と詩魂をこだます。「國井克彦は、私が会った最初の詩人であった。彼はまさに天性の詩人であって私はそこにひかれまた反撥もした。…二十代のときには彼めがけて「単に生れながらの詩人にしかすぎない者は、もはや詩人ではない」というフレーズを投げつけたが、間髪を入れず、「それは辻の自戒であろう」という礫が鋭くかえってきた」と詩友辻征夫は書き残す。若き抒情詩人としての出発以来約半世紀、古稀を目前に、詩人は故郷、旧友、肉親を偲び、自らの半生を振り返る。
目次
啼く鳥
からだ
幻視の海
手紙
純粋高校
蔵前橋通り
夢の楽器
夢の声
夢の雨
満天の星〔ほか〕
著者等紹介
國井克彦[クニイカツヒコ]
1938年・台湾・基隆市生まれ。日本大学文理学部に学ぶ。1959年・詩集「ふたつの秋」(思潮社)。所属・日本文藝家協会。日本現代詩人会。余白句会(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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