内容説明
いっしんに光りを孕んでしづもる声、たたかいの音をとおく聴き、寄りそう喪失の温度に手をかざす。ほどけた声の記憶をつむぎ、ともされる光りの文字。けぶるこころの遙かまで、ことばの舟を曳航していく。
著者等紹介
藤原安紀子[フジワラアキコ]
1974年京都府宇治市生まれ。2002年現代詩手帖賞受賞。2005年に第一詩集『音づれる聲』(書肆山田)を刊行し、同詩集にて歴程新鋭賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たすけられない手で包む 再現したからだは/足がひろい根だったこと ときどき思い出す/うたいはじめると顔をあげて いつも/花の方へ向いて みえるおかあさんってきく/しかくく光を浴びたひとのかみの付置を/歩かされている あなた (36ページ)2018/03/04
k
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再読。2012/01/20
KTPA
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言葉の価値が下がる中、必要最小限のことばと白紙だけで創り上げられた世界。ことばそのものがもつ奥深さをたっぷりの余白と文字の配置によって引き出されている。一文字読むたびにそのことばの鮮烈な印象に打ちのめされて震える。2011/07/25