内容説明
人間の生存の未来に詩を埋葬せよ。煽動、転覆、略奪、収容そして虐殺。歴史/国家の遠景に生と死の物語を見つめ、「世界批判」と「文学批判」を同律として書き継いだ、稲川方人、待望の長篇詩集。
目次
1 戦時の町の花摘みの歌(亡霊たちの見えない手を;微かな月光に恋い焦がれて;「世界」を戒める若い傷が;私の母の「遺恨の瞳」は ほか)
2 抵抗のコラール
3 新しい塹壕の掘られた世界で(祈る声がありさえすれば;初期二〇世紀の数学者たちは;草の位置にまで塞がれた眼を;かくも容易に「生命」の諾否が ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白玉あずき
9
すいません!白旗揚げます・・・・頑張って「努力」したのですが。私の場合、一つ一つの言葉が持つイメージの展開力が貧困なのか、それとも起承転結、原因から結果、という安心できる「物語」になっていないものを受け入れる能力がないのか。多分私の脳が怠け者で、一つの物事を徹底し突き詰めて考える、ということ自体ができないのかなあ。思考する、共感するという行為を、言語をツールとしてどう脳神経を接続していくのか、という方向性でしか考えられなかった。「詩」を味わうのは難しい。2016/05/25
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5
死ぬほど混んだ朝の電車で読んで殺伐とした気分になった。2019/04/11
ドン
0
聖-歌章を読んでいる間中重厚なべートーベンのシンフォニーが胸の中に響いていた。2024/06/16