内容説明
20世紀の詩に決定的な影響を与えながら、つねに騒然と論議を呼び起こしてきたアメリカン・モダニズムの巨星、エズラ・パウンド―。その謎に満ちた詩と詩人の全体像を気鋭のパウンディアンが多面的・包括的に明らかにする。専門家だけでなく広く現代文学の読者にむけて編まれたパウンド研究の成果。
目次
1 戦略としてのイマジズム―パウンドが求めた「探求の言語」とは
2 「死んだ芸術」は蘇るか―「ヒュー・セルウィン・モーバリー」瞥見
3 「半透明」な変身―『キャセイ』の感傷なき抒情
4 パウンドと孔子の「〓(きょう)」―『詩篇』と東洋
5 世界の部分―『詩篇』とヨーロッパ
6 『ピサ詩篇』以前/以後―『詩篇』とファシズム
7 オリーブの枝の輝くところに―パウンドと女性たち
8 「年老いて」―パウンドとイェイツ
9 「活力」と「原罪」―パウンドとエリオット
10 贈与交換と職業倫理―パウンドとウィリアムズ
11 『詩篇』の余白に―パウンド以降のアメリカ詩、オルスンとスナイダー