内容説明
流浪する魂の存在のありかはどこにあるのか。1989年、「天安門事件」を契機に中国を追われた詩人はこう言う、「亡命とは題材ではなく、一種の深さである」と。「亡命は、わたしに人間性の闇への逃れられない視点を与えてくれた。それを深めてゆかざるをえないような視点を。だからわたしは、幸福である…」北島、芒克とともに地下文芸誌『今天』の活動に参加し、その新しい詩的言語表現によって世界的に注目を集めた詩人楊煉の、亡命後の作品を集成した初の選詩集。
目次
1 流亡する死者
2 幻影の都市
3 無人称の雪
4 闇たち
5 天空の移動
6 否認する石榴
7 大海の止まる処
8 十六行詩
著者等紹介
楊煉[ヤンリエン]
1955年、スイス・ベルンに生まれ、中国・北京で育つ。70年代後半から詩作を開始。地下文芸雑誌『今天』に参加、その新しい詩的言語表現によって注目される。1989年、天安門事件を契機に出国。以後ヨーロッパ、アメリカ、オセアニアなどの各地で、詩を中心とする文学活動をつづけ、二十あまりの言語に翻訳されるなど、国際的に高い評価を受けている。ロンドン在住
浅見洋二[アサミヨウジ]
1960年生まれ。大阪大学大学院文学研究科助教授。中国文学、特に唐宋の詩と詩学を専攻
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感想・レビュー
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燃えつきた棒
25
申し訳ありませんが、この詩集は、僕には何の印象も残しませんでした。 まさに、猫に交番、豚に心中状態です。 という訳で、以下の文章は本書の内容とはほとんど関係ありません。 あくまでも一個人の感想です。 《カッコよくなきゃ、ポエムじゃない!》 詩人は カッコよかった 詩人は 友の妻を寝取った 詩人は 毎朝青汁を飲んだ 詩人は言った 「君がこの小説を訳せ 僕が共訳者として名前を貸そう」 《カッコよくなきゃ、ポエムじゃない?》/ 一つの顔※がある 左目は網目状のもので塞がれており →2025/03/23