出版社内容情報
私は、泥まみれの犬を歌う、貧しい犬、宿なしの犬、うろつく犬、道化の犬、つまり、貧民やジプシーや大道芸人の本能のように、かくも善良で知能の真の守り神でもある、必要、というものによって、みごとに研ぎすまされた本能をもつ、そんな犬を歌うのだ!
(「50善良な犬たち」)
現代詩を切り拓いた名著、待望の新訳
「「現代詩の発端」と呼ばれることもあるボードレールの散文詩集ですが、その影響は詩にとどまるものではありませんでした。(。。。)「現代詩の決定的発端」は「現代文学の決定的発端」でもあったわけです」(「はじめに」)。
散文詩を拓いた19世紀文学の精華が、最新の研究と平明な訳で詩的現在のその先に蘇る。
装幀=山田聖士
シャルル・ボードレール[シャルルボードレール]
著・文・その他
山田兼士[ヤマダケンジ]
翻訳/解説
内容説明
現代詩を切り拓いた名著、待望の新訳。都市の喧騒と群衆をモチーフに、現代的で柔軟なミニマル・アートとして、散文詩という領域を拓いたボードレール。詩のみならず数多の文学作品に多大な影響を与えたこの「現代文学の決定的発端」が、最新の研究成果を踏まえた平明な訳と解説により、詩的現在のその先に蘇る。
目次
アルセーヌ・ウセーに(序文)
異邦人
老婆の絶望
芸術家の“告白の祈り”
剽軽者
二重の部屋
それぞれがキマイラを
道化とヴィーナス
犬と香水壜
不都合なガラス売り〔ほか〕
著者等紹介
ボードレール,シャルル・ピエール[ボードレール,シャルルピエール] [Baudelaire,Charles Pierre]
1821年4月1日パリ生まれ。1832年から4年間をリヨンで過ごし以後はパリ在住。19歳頃からユゴー、ネルヴァル、バルザックらと交遊。1841年、インド行の船旅に出るが途中で帰国。パリのサン=ルイ島で贅沢なダンディ生活を始め、家族による民事訴訟の結果、準禁治産者となる。1845年、最初の美術評論「1845年のサロン」刊行。1857年、韻文詩集『悪の華』初版を刊行するが、全100篇中6篇が風俗紊乱の廉で削除。1861年、新作32篇を加えた『悪の華』第2版を刊行。以後はおもに散文詩の制作を中心とし、計50篇が没後『小散文詩』として刊行される。1864年からベルギーに滞在。1866年、ナミュールの教会の石畳に倒れ、失語症および半身不随となる。1867年8月31日パリにて永眠。詩の他に美術評論、文芸評論等、およびエドガー・アラン・ポオの仏語訳がある
山田兼士[ヤマダケンジ]
1953年岐阜県大垣市生まれ。関西学院大学大学院博士後期課程満期退学。大阪芸術大学教授。日本フランス語フランス文学会、日本現代詩人会、日本文藝家協会、関西詩人協会、各会員。詩誌「びーぐる 詩の海へ」編集同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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