内容説明
絶望と至高の苦悩の裡に、人生への醒めたまなざしを秘めたディキンスン。生前一冊の詩集も出さずに死んだ彼女の詩篇が、20世紀に復活した魅力を、この一冊に凝集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
miyu
29
「抽象的なものを知覚し感覚的なものを思考した。ディキンスンはただ "見る" だけなのだ」「彼女が二階にはいり戸を閉めたときに彼女は人生を退けることによって実は人生を克服したのだ」巻末のアレン・テイトによるディキンスン論はくどい面もあるが気づきも多かった。彼は彼女を批判しているわけではない。しかし女性の活躍など皆無に等しい男性優位の19世紀に生き、女性詩人としての可能性をディキンスンは断念せざるをえなかった。時代の流行とともに去りゆくものを重視せず、詩と真実に身を捧げた彼女の言葉は現代の女性にも響くものだ。2017/04/02
魚京童!
15
詩集っていいなって改めて思わせてくれたもの。2016/09/13
吟遊
14
選がよいと思う。だいぶ古い訳も載っている。いろいろ織り交ぜて。解説部分もよい。2019/05/14
柚木
6
好きな詩がいくつかあった。まぁ、分かるようでわからないけどね。2018/05/23
椎名
5
詩の訳って普通の小説より余程大変そうというかちょっとした訳の違いで意味が変わってきてしまいそうだなと。別の訳でも読んでみたい。2024/02/25