内容説明
徹底して言語から虚を問いつづけ、硬質な詩的世界を結晶させた、圧倒的な混沌と強靱な知性を併せもつ詩人、渋沢孝輔の全貌。15冊の既刊全詩集と拾遺詩篇、詳細な年譜、書誌を900頁にわたって集成した決定版全詩集、未収録原稿、代表的渋沢論、書き下ろし解説を収録した別冊読本を付す。
目次
淡水魚(1979)
場面(1959)
不意の微風(1966)
漆あるいは水晶狂い(1969)
われアルカディアにもあり(1974)
越冬賦(1977)
廻廊(1979)
薔薇・悲歌(1983)
緩慢な時(1986)
星夜/施術者たち(1987)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
奥澤啓
32
渋沢孝輔の登録本は1冊のみ。私は渋沢先生の教え子である。ボードレールの講読であった。先生の詩については、わかりません。現代詩は、一生、わからないかもしれない。ボードレールは、最近、少しだけ、わかるようになってきたかなと感じる。『パリの憂愁』のような散文詩は理解しやすい。『悪の華』は。もちろん、原語で 読むという話です。翻訳詩は日本語の世界。毎日、毎日、しつこく、英仏語の音読をするので、その効果は確実にあるのはまちがいない。音読をしていると、意味以前の書き手の意識のようなものが伝わってくるように感じるのだ。2014/12/19
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