内容説明
戦後の詩人たちは世界をどう表現したか。詩にとって「修辞的現在」の意味は何か。100人にも及ぶ詩人を分析し、戦後の感性の源泉を顕わにした記念碑的名著、待望の復刻刊行。
目次
戦後詩史論
戦後詩の体験
修辞的な現在
若い現代詩―詩の現在と喩法
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
かふ
14
吉本隆明の戦後詩から現代詩の分析。戦後詩は敗戦の喪の詩として機能していたが、そうした自己否定はブルドンのシュールレアリスムの単なる言葉遊びにしか過ぎなく、深層は古典性の言葉遊び(音韻=古今集)か都会の風俗を目指す(ニューミュージックの安らぎ)。それらはないものねだりの子守唄のようなもので、谷川俊太郎と中島みゆきを同次元に置き評価しているのか?自己否定に疲れた詩人たちという感じ。修辞的な言葉遊びになって、古典や風俗を目指すということなのか?吉本の中にある生活者というのは、そうした都市性なのか?2026/02/21
oz
6
初読。六〇年代詩の状況論。「修辞的な現在」というタームを導入して戦後詩と現代詩を分類する。明確な構造や意味を放棄し、イデオロギーからも離反し、美しく洗練されたパッセージの集合体として機能する現代詩は思想に裏付けられた戦後詩とは明らかに異なり、その詩は本人以外には「無」であるということだろう。かなり絶望的な書だ。しかし詩の実作者に更新を絶えず要求する強力な評論で、提示される絶望的な舞台が現代詩の前景でもある。2010/12/26
kentaro
1
⚫︎戦後詩の始まりに象徴された詩的体験は平穏な日常生活に必然的に入っていった。犯罪人が留置されるときの平穏ではなく、高い塀冷たいコンクリートから外へ解放された平穏はどうして可能か。今日も勤めにいって働き、そして少しもかわりばえのない働き方をしてずうっと生きなくてはならない。その過程には生命にかかわる出来ごとも少ないかわりに、面白ろおかしいことなんかすこしもない。そういう忘れてしまったような生活の型を詩人たちは、市民として今日もくり返し、明日もくり返しやらなければならない。嫌ならば死ぬよりほかない。死なない2025/08/04
MIU
1
著名でも、もう読まれない詩人がたくさん登場して、なぜ読まれなくなったかが解析されるといった感じ。当のこの本自体がもはや読まれないわけですが。中島みゆきやさだまさしの部分はサービスと言うか、マジメに書いてないと思う。筆者のモチーフはどうあれ、この本で詩の読み方を学んだ人は多いだろう。中村稔とか長谷川龍生とか平出隆とかの作品の読みはまさに達人2016/03/30
岡部淳太郎
1
以前、版の違うやつを図書館で借りて読んだ。この新装版を買って再読。2005/09/26




