内容説明
谷川俊太郎の詩業の転機を刻む75年の『定義』『夜中に台所でぼくはきみに話しかけたかった』から、80年代の『コカコーラ・レッスン』『日本語のカタログ』『メランコリーの川下り』、そして90年代の『世間知ラズ』まで、前人未到の世界を展く代表詩集6冊を網羅。
目次
定義
夜中に台所でぼくはきみに話しかけたかった
コカコーラ・レッスン
日本語のカタログ
メランコリーの川下り
世間知ラズ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
55
「定義」以後の思潮社版の詩集を合本。でもまだ20世紀の範囲内。谷川さんは21世紀の今も詩を作り続けている。「詩人なんて呼ばれて」という、本のタイトルになった一行を含む詩もある。浩瀚だから、気に入った作品を紹介するのも大変。『世間知ラズ』の後半、詩で書いた詩論のような作品が印象的だ。70歳近くなった時期に、詩作や人生を振り返って、悟ったかのような作品が目立つ。いやいや、詩人のことだ。これからいくらでも転回を見せてくれそうな気がする。2019/05/28
kazutox
9
2002年、『詩集』というタイトルの詩集。『定義』『夜中に台所で…』をはじめ70年代から90年代の詩集6つの全編を収録したもの。ダークな現代詩人としての谷川俊太郎を堪能できます。通して読んでみて気づいたのは、この人相当ペシミスティックだよな、ということ。詩や詩人を疑う詩を繰り返し書いている。こんな調子で90過ぎまで詩人をやっていたのだから、いくら天才とはいえきつそうな人生だなあと思いました。 2025/04/07
Mark.jr
4
かなわん...と思いながら、読むしかないです。 「そして私はいつか どこかから来て 不意にこの芝生の上に立っていた なすべきことはすべて 私の細胞が記憶していた だから私は人間の形をし 幸せについて語りさえしたのだ」2023/03/01
白義
3
タイトルからは分かりにくいですが谷川俊太郎の詩全集三巻目。定義集など前衛的でいかにもな現代詩が増えてきましたが、言葉選びのセンスや遊び心、エロティシズムにやはり谷川俊太郎さんと実感します。この、現代的な生活臭と世界視線的な抽象性と原始的な感じ、それにこっちにそっぽむいてるようで分かる気がする独特の前衛っぽさがたまらない。これで2002年までの詩は収まってるわけですがどうかその後の詩を収録した四冊目も出てほしいものです2011/07/17
ティス@考える豚
2
言葉のカタログ。誰でも雑記帳さえあればそれを読むといい。詩集になる。2014/04/18
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