内容説明
詩人の想像は、ふとした入口から幻想の世界に入りこむ。そのプロセスは現実をとびこえて、異相、異形の景観に出会うこともしばしば。後鳥羽院と蹴球を競い、壇之浦の合戦に敗れた平家の化身のような男が綱を引く。さらには、倒れた老人を助けて次の日、様子を窺うと…。現代詩手帖掲載の「それからの老人」を含む、予想もつかない展開の11篇。『第二の男』に続き、さらに磨きがかかった「今昔詩紀」風散文詩集。
目次
風の尾
Spring is here.
黒い春
ある出逢い
困ったときの純粋な療法
出陣の前
整列
とどける
青き靴
綱
それからの老人
添筆