内容説明
950篇に及ぶ全詩篇から、吉本隆明に一家言をもつ3名の作家、詩人、評論家が、代表作10篇ずつを選びとる。白熱化した討議が展開され、緊迫した雰囲気のなかで、対立しながら同じものに向い代表詩がスリリングに、果敢に読み込まれ、選びとられてゆく。吉本詩の真髄に触れるための座右に備えたい普及保存版。
目次
「初期詩篇6」(1946~1950)より
「日時計篇1」(1950)より
「日時計篇2」(1951)より
「定本詩集1」(1946~1952)より
「〈手形〉詩篇」(1953~1954)より
『固有時との対話』(1952)より
『転位のための十篇』(1953)より
「定本詩集4」(1953~1957)より
「定本詩集5」(1959~1968)より
「新詩集以後」(1970~1994)より
「「野生時代」連作詩篇」(1975~1984)より
『記号の森の伝説歌』(1986)より
『言葉からの触手』(1989)より
「豊かさ」の重層性―『吉本隆明全詩集』をめぐって(高橋源一郎;瀬尾育生;三浦雅士)
詩を中心とした吉本隆明略年譜(1924‐2004)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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5
ほんとに自分でもどうかと思うけど『吉本隆明詩集』の頃の詩に泣きそうになってしまった。2017/11/27
ドリチン
3
(図書館本)吉本隆明さんの詩を初めて読む。難しくて意味はちんぷんかんぷんなんだけれど、語句の響きを読むだけで氏のポテンシャルが素人なりにも感じられた。自分は「固有時との対話」が一番興奮して読んだかな。最後の対談も白熱してて面白かった。2015/06/04
メルセ・ひすい
2
15-156 1946 青い帽子の詩…時間のかげを 青い冷たい帽を被いで おそれとやけとを唱って どこまで行こうというのか いちまいの貼紙のような虚空に がらんと暗い風がおこると 青い帽の屁が おれの憂愁をかげらせる X軸の方向から さびしいふるえを担いでくるのは もう独り 青い帽子のみしらぬおれだ 950篇に及ぶ全詩篇から、吉本隆明に一家言もつ3名の作家・詩人・評論家が、代表作10篇ずつを選びとる。白熱化した討議が展開され、緊迫した雰囲気の中で代表詩がスリリングに、果敢に読み込まれていく。 2012/05/24