内容説明
クレオール文学の第一人者が、カリブ海の詩人たちをはじめて体系的かつ網羅的に紹介する。クレオール詩全景。「現代詩手帖」好評連載、待望の刊行。
目次
序章 カリブ海の友だち
第1章 サン=ジョン・ペルス
第2章 エメ・セゼール
第3章 レオン=ゴントラン・ダマス
第4章 エドゥアール・グリッサン
第5章 デレック・ウォルコット
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スミス市松
17
新大陸の「発見」と被支配の歴史、そして「第四世紀」――植民地化以後、「四世紀」が過ぎた彼らの認識における「二十世紀」のことである――に興った《ネグリチュード》から《アンティル性》、今日の《クレオール性》へと連なる運動の局面にはいつも詩人たちの言葉があった。本書はカリブ海の歴史を彩ってきた詩人たちを時系列に紹介することで、《クレオール》とは何かを今一度問い直そうとする試みであり、またある意味では、《クレオール》な詩人たちを――新たな言語を用いる人々が生み出す新たな文学を――“追い求める男”の物語でもある。2014/04/27