内容説明
「現代詩手帖」に連載を開始してから35年余り、ランボーの詩と生の全貌に迫るために構想された未曾有の評伝シリーズ、『少年ランボオ』『ランボオの生成』に続く第三弾。「見者の手紙」を綿密に読み解き、同時代の詩的状況を浮き彫りにしながら、「見者」という概念を発見することによって大きく飛躍する少年ランボーを生き生きと蘇らせる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
メルセ・ひすい
2
14-53 赤59初出「現代詩手帖」‘03.01~‘06.07★見者のヴィジョン… おれのあわれな心臓が船尾でへどを吐く、 安煙草にまみれたおれの心臓、 それに奴らはスープのげろを吐く、 おれのあわれな心臓が船尾でへどを吐く、 声を合わせて笑いこける 兵隊どもの嘲弄の的になって、 おれのあわれな心臓が船尾でへどを吐く、安煙草にまみれたおれの心臓! 突っ立った一物みたいな兵隊流の 奴らの嘲弄におれの心臓は堕落した。 夕方には奴らは落書きを書きなぐる。 突っ立った一物みたいな兵隊流の。 おお、 魔法の※2011/02/01
Tatuo Sakamoto
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旅に出る。すみきった桜とともに、愛情も感情もヒバリの羽をもぎとって進む。絶対の次元が僕らの前にある。ガラス玉の中のパリ、きたならしいペンを捨てて、悪魔と一緒に旅に出る。王様の首を刎ね飛ばせ、草の汁は苦く、絶望は灰色だ。アイリーンの痩せた胸に、汚れたペニスをこすりつけ、ハゲタカのように、とびあがれ。パピルスの返事を待つな、鋼鉄の馬車は孔雀の背骨を見るだろう。僕らは空中の橋を渡って行く。愛らしいお前の喉元に、光をあてて、匕首をあてて。旅に出る。ここから見る景色を、反逆と呼べ。決して泪ではない。2020/04/17
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