内容説明
なぜ口語自由律なのか。現代詩の詩型としての主題を直視せよ―。なお底光りを放ち続ける黒田喜夫、石原吉郎らを表現論として現在に読み解き、詩が「凄味」をもった時代への環流を試みる。証言から提起へ、日本語の詩に根柢の問いをせり上げる、卓抜した批評集。
目次
詩が円熟するとき―はじめに
1 詩的60年代ノート(戦争体験をめぐって;谷川雁幻想;「列島」私考;黒田喜夫・六〇年代 ほか)
2 「犯罪」から「白鯨」(金時鐘『新潟』;佐々木幹郎『死者の鞭』;支路遺耕治『疾走の終り』;私的大阪文学学校事情 ほか)