内容説明
「詩とは何か」―この問いは歴史のなかでさまざまに変容を遂げる。プラトンからイギリス・ルネッサンス、ワーズワースらのロマン主義を経てエリオットやエンプソンまでの詩論の歴史を辿りつつ、神話との関係のなかに新しい詩学を構築する。それは詩の深淵に少しずつ光を注ぐことである。詩の根幹をわかりやすい言葉で解説する連続セミナーの記録。
目次
1 詩論の歴史(ギリシャ時代の詩論―プラトンの模写説;ローマ時代・中世の詩論―ホラティウス、オーウィディウス、ダンテの教訓主義;ルネッサンス期の詩論―フィリップ・シドニー卿の『詩の擁護』;ロマン主義詩学(ワーズワースの表現説;コールリッジの想像力説) ほか)
2 批評の実践(マーヴェルにおけるスペンサー、シェイクスピア、プルタークなど;詩人W.B.イェイツとキリスト教;T.S.エリオットの初期から後期へ―ダンの読み方の変遷)