内容説明
晩年の金子光晴がイェイツに寄せる深い共感。英文学者尾島庄太郎の豊かな学識。ふたりの人生の経験とイェイツに傾ける深い情熱が、たぐい稀れな共同作業を実らせる。未刊のまま残された草稿を、愛弟子の英文学者で詩人の野中涼氏が、愛と革命など五つのテーマ別に再構成して、20世紀の最後に広く江湖に送る。
目次
1 報いのない愛(やなぎの庭のほとりで;白い鳥;年を取ったら ほか)
2 妖精の国(モル・マギーのバラッド;ギリガン神父のバラッド;ドゥーニーのバイオリン弾き ほか)
3 騒乱の国(一九一三年九月;バラの木;民衆 ほか)
4 詩人とは何か(言葉;ゴールウェイの競馬場で;上衣 ほか)
5 美しく気高いもの(クール湖の白鳥;アイルランド航空兵は死を予見する;娘のための祈り ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
かふ
18
イェイツの詩を研究者である尾島庄太郎と詩人の金子光晴の共訳ということよりも、その後の対話が面白く興味深い。イェイツの背景とか言葉の専門知識は尾島庄太郎が解説し、その中にある詩の象徴性や詩人としての共感やらを金子光晴が述べる。項目別に恋愛詩、ケルト詩、アイルランド闘争詩、詩人の詩、美についての詩に分けられていて、イェイツの詩も理解しやすい。恋愛詩は晩年まで一途に思い続けた女性革命家であるモードン・ゴンに対する思いと挫折。かなわぬ恋なのに詩人の代弁を金子光晴がしているのが面白い。2023/07/11
荒野の狼
3
イエーツの詩をまず尾島庄太郎が訳したものを金子光晴が受け取り、原文に関係なしに自然な日本語に修正し、その決定役に尾島が時代背景などの注釈を加え、二人の作品の感想を述べ合う対談が続く構成。これを編者の野中涼が訳詩も注解も大幅に追加・削除し50篇を選びなおしたもの。結果として、どこからどこまでが誰のものと明示できないものになっている。2010/05/15
おかもと
1
金子光晴のコメントがイカしてる。詩はむずいけどなんとなく気の合いそうな感じ。2022/08/27
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