内容説明
詩から俳句への軌跡。詩人安東次男はなぜ詩を断念し、歌仙を巻き、芭蕉評釈に深入り、句作するにいたったか。21世紀へ手渡すべき氏の「連句評釈」四季四篇と、大岡信、吉増剛造、飯島耕一、向井敏氏らの論考、中村稔、粟津則雄氏の対論を加え、氏の詩的達成を追跡する。
目次
梅が香の巻(『炭俵』)
灰汁桶の巻(『猿蓑』)
鳶の羽の巻(『猿蓑』)
狂句こがらしの巻(『冬の日』)
解説(わが師匠・安東次男―梅が香の巻(大岡信)
女神の像が浮ぶ―灰汁桶の巻(吉増剛造)
詩的行為としての評釈―鳶の羽の巻(飯島耕一)
句間の劇を読む―狂句こがらしの巻(向井敏))
対談 詩のはじまる場所(粟津則雄;中村稔)