内容説明
’90年代に創られた平成の「殉情詩集」。
目次
そして船は行く
砂丘
町の噂
淡雪
母の名前
燕の来る町
貧窮問答
春色母子風景
歌謡曲
雨の降る品川駅の裏のバー
ゴシップ歌謡曲
赤松
本屋の小僧
駄目になった
「山林に自由存す」
美しいもの
辻のいない世界
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うりこ
3
2001年刊 私は井川さんの詩のファン。懐かしくて、温かい井川さんの詩。読むとなぜか鼻の奥のほうがツーンと痛くなって、切ない気分になるのです。しばし、詩のなかの少年のそばに寄り添っていたくなるのです。〈一方 受験に破れた少年は/机に向かって本を拡げながら密かに/年上の女に失恋し/大都会の片隅で/烏のように零落している/未来の自分自身の姿を想像し/うっとりとして頬杖をついていた。(「町の噂」より)〉。ちなみに『そして船は行く』というのは、フェリーニの映画タイトル。井川さんの家は船会社を営んでいたそうです。2022/03/26
kentaro mori
1
最初は「ふ〜ん」ってなもんで、パラパラっとめくっていたが、中盤過ぎたあたりで「ジワ〜」っとしみてきた。これはただのライトヴァースではない。では何なのかというと、何なのか。2018/05/14