内容説明
今日あなたはコンビニへいきましたか?ゆくところがないから?欲しいものがあるから?レジにいる知らないひとが優しいから?―軽妙な言葉たちの繰りだす問いかけに、詩人が見据える人間存在の危うさと不透明さが浮かびあがる。そう、まるで「海の上のコンビニ」のように。既成の「言葉」に根底から揺さぶりをかける快心の新詩集。
目次
う/み
海のうえのコンビニ
クジャクな夜
なた
ハロードリー!
レンタル・ボイス
こわれる水
コピー・プラント
ふるふる
聖誕劇〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kurumi
4
詩を読む際、テーマが一貫されたものがずっと続くと読むのに疲れてしまうことがある。しかしこの詩集は、言葉の1つ1つが飛魚となって、あちこちに飛び回り、忙しなく言葉が流れる為か、非常に新鮮で、いちいちどうして?なにが?と疑問が流れるのに、不快に感じず、おもしろおかしく詩を読む事ができる。これはいったいなんの詩集かと言われると難しい。しかし、新しい詩の形が波となって流れる感覚はずっと残っている。2021/12/09
桜井晴也
2
「僕が見るのは/屈葬の夢だ/手足をまげて赤土のなかで眠っている/ひたいのうえに小鳥の卵がのこされていて/青空がつまっている/というのは本当だろうか」2011/09/30
桜井夕也
1
「くずれてしまった たくさんのもの/からっぽのマヨネーズチューブ/とか 鳴らないラジオ/とか アタマのとれたオモチャ/とか/とかとか/うたっている ね/波間にゆれる 陽の光きらきら/そのとなりに/やわらかい・みぎ耳/そっと浮かべる/ねえ、本当は何をききたかったの?/それは/いつかやってくる三日月ウサギ」2014/06/17
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