内容説明
街は、喧噪に満ちるが、八月六日の、この炎は、どうしてこんなに冷たいのでしょうか。扉を開いて、この凍る冷たさを消したいのです。そのためには私は、果てしない天空に向って、いっさんに飛翔するのです。日本の近・現代史の変遷の典型を広島という都市は担ってきた。一発の原爆によって開かれた「核の時代」は半世紀たったいま、増殖をつづけながら徐々にその全貌を明らかにしつつある。ヒロシマの今日は人類の明日を予告する。
目次
私は鳩
海は燃え
マリン・スノー
変貌する河辺で僕は―組詩「ヒロシマ」
大応寺池―少年期1
城山―少年期2
蝶―少年期3
旅立ち―青年期1
航路―青年期2
識ることについて―青年期3〔ほか〕