内容説明
断片と断片のすれあう音をなぞりつつ、生まれてくるものの自由と閉塞は果てない問いへとふくらむ。届かない手紙をしたためるようにかすかな焔をついやし、言葉の行方に滲んでいく。どこへ?なにを?あるいはひそかに助けてと…。水に刻んだ果てなき問い。
目次
水の囁きは果てない物語の始まりにきらめく
恣意の揺らぎはあわい結晶だけをもとめる
はるかな痕跡は綻びの記憶をたばねあわい祈りにたゆたう
欠如の波動はやさしい幻影をたわめる
抑揚の描線は羽ばたきを彩りやがてかすかな摂理へ
さらに表象はあやうい距離にくぐもる
やさしい蘇生は穿たれた喪失からひろがる
開かれた扉は透明な幻を生みつづけて
儚い憧憬は消失のさざめきにもつれる
夢の密度はいつしか祈りへと放たれる〔ほか〕