出版社内容情報
おまえはふりむくな
ぼくが騒々しい連中をみているから
黙つて眠れ
夕やけのようなぼくの背中よ
(「詩」)
生得の抒情詩人、その軌跡
「生粋の抒情詩人だ。異論のある読者は、まずいないだろう。(…)その抒情の葉脈には貧血とは無縁の豊穣な詩人の血が生き生きと流れている」
(清水哲男)。
二度と戻らないものに、魂のひびきを奏でる珠玉の作品群。
無償の行為にかけた半世紀を一望する。
解説=井川博年、中上哲夫、高田太郎、八木幹夫、金井雄二
國井克彦[クニイカツヒコ]
著・文・その他
内容説明
生得の抒情詩人、その軌跡。詩だけによってしか生きてゆけない人間がいる。二度と戻らないものに、魂のひびきを奏でる珠玉の作品群。無償の行為にかけた半世紀を一望する。
目次
詩集“ふたつの秋”から
詩集“灰いろの空つめたい雨”から
詩集“海への訣れ”から
詩集“わが即身成仏”から
詩集“月明かり”から
詩集“並木橋駅”から
詩集“夢”から
詩集“紅の汀”から
詩集“丘の秋”から
詩集“東京物語”から
未刊詩篇
散文
作品論・詩人論
著者等紹介
國井克彦[クニイカツヒコ]
1938年1月1日台湾基隆市生まれ。8歳より本籍地東京渋谷代官山(猿楽町)に育つ。日本大学文理学部に学ぶ。15歳より「文章倶楽部」に詩を投稿。57年文章クラブ賞(現・現代詩手帖賞)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sk
7
よくも悪くも昭和の歌謡曲に近い。もちろん詩としての完成度はあるのだが、抒情の種類が昭和の歌謡曲。ひとつの時代の空気として。2016/10/10
warimachi
1
「おまえはふりむくな/ぼくが騒々しい連中をみているから/黙つて眠れ/夕やけのようなぼくの背中よ」(「詩」)ーー初期作の持つ輝きが飛び抜けている。2024/06/03
nightowl
1
「つぶやき岩の秘密」で知った石川セリ「遠い海の記憶」の歌詞を思い出す。記憶の中の鮮やかな風景画を見ているような気分。後半は詩というより七五調のエッセイが混じってくるので全体的な統一感には欠ける。2016/11/01