内容説明
今日の代表的詩人を網羅し、時代の言葉の可能性を最も遠くまで展望した最大かつ最高度の詩集シリーズ。既刊詩集の全て、数多くの未刊詩篇を収録。主要詩論、クリティック、エッセイなどを収録。多彩な書き下し作品論、詩人論を併論。
目次
詩集「動物哀歌」(鶴;金色の鹿;すずめ;小鳥を葬るうた;熱帯鳥;雁の声;鳶の舞う空の下で;太陽にいるとんぼ;鴉;カラスの火 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マエダ
73
動物哀歌が読みたくて読みたくて、詩はあまり得意でないがとても充実満足の一冊。2016/04/09
sashi_mono
7
ひさしぶりの再読。透明な抒情性をうんと満喫した。全体の印象を語ることは難しいので、詳しくはあれこれ語った、コメント欄の長文レビューを参考にしてください。2018/04/13
sk
5
明快な思想を基に書かれている抒情詩だが、その思想の思い付き・認識の次元、また詩行の展開の次元に、彼独特の技術が働いている。技術というのは表層的ではなく根底的でと気づかせてくれる優れた詩集だった。辻井喬の評が良かった。2014/11/30
シャンピニオン
2
”通勤電車で読む詩集”で知った”宇宙を隠す野良犬”が、時々思い起こされるので、図書館で借りてみた。命の有限と宇宙の無限から、少年時代に感じていた畏敬というより恐怖心を思い出した。この全く説明のつかないこの世の中は一体何なのか。何かが戯れで作ったものに違いない、とでも考えないと納得できないけど、そんなはずはない。なんて終わりのない思考のアリジゴクに入っている感じです。 2021/03/13
桜井晴也
1
「ねずみを苦しめてごらん/そのために世界の半分は苦しむ//ねずみに血を吐かしてごらん/そのために世界の半分は血を吐く//そのようにして/一切のいきものをいじめてごらん/そのために/世界全体はふたつにさける//ふたつにさける世界のために/私はせめて億年のちの人々に向って話そう/ねずみは苦しむものだと/ねずみは血を吐くものなのだと//一匹のねずみが愛されない限り/世界の半分は/愛されないのだと」2011/07/09