感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あや
21
先日亡くなられた白石かずこさん。謹んでご冥福をお祈り致します。私と白石かずこさんの出会いは、佐野元春さんが雑誌で白石さんに影響を受けた的なことをおっしゃっていたから、中学生の時に図書館で現代詩文庫の「白石かずこ詩集」を借りたのがきっかけでした。中学生の頃から詩を書くようになり、大学生で芭蕉と出会い、今では短歌を詠んでいる。本書は八重洲ブックセンターかぽえむぱろうるで買った記憶がある。サイン本である。今となっては貴重。エッセイに長篇詩は映画のようなものといった旨の記述があり、なるほどと思う。2024/07/17
あ げ こ
12
言葉より言葉が生まれ、増殖して行く。短く不規則な間隔で言葉は生まれ、速やかに移行して行く。生まれては生み、生まれては見えなくなり、時にまた生まれ、甦る言葉。いずれも言葉は足場となる。到達する為の。土台ではなく。足場。次の言葉に進む為の。足掛かりとなる。巡り行く為の。繰り返す為の。駆け上がる為の。足場となる。言葉が増殖し、移行し、甦り、また新たに誕生し行く凄まじさ。奔流。生の奔流。死の奔流。残酷さの奔流。欲望の奔流。快楽の奔流。熱の奔流。狂気の奔流。腐敗の奔流。激しく、艶かしく、鮮烈であり、くらくらとする。2017/05/09
misui
5
声つまり身体性を得た詩は、その陶酔を、狂気をも引き入れて、幻想世界へと突入していく。聖なる淫者であり巫女である詩人の歩みは長い旅と化し、詩は否応なく長篇となる。詩人のパワフルな歩調に合わせて読むなら感興もあろうが、体力のない自分はいささか置いてけぼりを食うことになった。2014/07/12
里馬
4
初長編詩。なかなかリズム掴むまで大変だった。相性合わんのは仕方ないけど、折角だと思って読み込んでいくうちに不思議と面白く感じていくスロースターター。古い方も読みたい。現代詩文庫はやっぱりいい。2010/11/22
午後
2
エッセイ、詩人論・作品論まで含めて、『新選白石かずこ詩集』とほとんど同じ内容だった。2023/04/24