目次
定本・吉田一穂詩集・全篇
「拾遺詩篇」から
「雑纂詩篇」から
「童謡・少年詩篇」から
「短歌・俳句」から(極の誘ひ;龍を描く;半眼微笑;あらのゝゆめ;海の思想)
年譜
研究(桃花の里=三好豊一郎;一冊の詩集=加藤郁乎;吉田一穂を読む=吉増剛造)
解説 吉田一穂の詩と思考=渋沢孝輔
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
松本直哉
9
イメージの凝縮された喚起力の強い漢語を鏤め、感傷を排した硬質で狷介な文体は、短い断定と名詞止めの多用と相俟って、澄んだ冷たい雪の結晶のような詩的乾坤を築く。詩人の故郷である北海道の、人を寄せつけない海の冷たい蒼さのように。「針孔から隊商が入つてくる、/絡繹と跫音もない影の市へ、/この夕暮れの異国の言葉」一方で、搾取される農民や炭坑労働者や漁民を描いて社会的不正を弾劾する詩もあり、ほぼ同世代で同じく北海道出身の小林多喜二を連想させる。「世界を縊れ! 流血の日に。総同盟罷業。底に燃える火。暗流。…」2015/04/19
日下 未知亜
1
【転記】日経の書評で見て借りました。自分と程遠い、ムズかしい言いまわしを、取り込みたくなったの。楽しいけどちょっと挫折気味(笑)2008/02/05
ぜっとん
0
うえ、この人凄い。なんてマッチョな思想だよ。極北の詩人ってちょっとカッコよ過ぎんじゃねぇの? 西脇、足穂、一穂って並べられてたけど全員違う極にいる狂気の沙汰。この人の詩行は一通り見せていただく必要がありそうだ・・・。2012/01/09