内容説明
詩・短歌・俳句・競馬・演劇・映画。時代を駈け抜けたクロスオーバーの旗手寺山修司。その全体像を初めて明らかにする気鋭の作家論。
目次
少年時代の一所不在
都会の少年だった寺山修司―あこがれはテレサ・ライト
抒情の文学少年―高校・大学時代
高校時代からの編集者としての才能
「短歌研究」新人賞とその余波
映画少年の形成あるいは、『初恋・地獄篇』
「大人狩り」/岸上大作との対立
「家出のすすめ」
ボクシングと野球
詩人と作詩家の二面性
状況劇場との乱闘―唐十郎との交流
政治学としての少女
犯罪への関心―永山則夫の場合
新左翼、赤軍派への関心
若者の教祖としての面
競馬、その思想
抒情から無頼へ、そして土着への変貌
映画『田園に死す』で見せた〈私〉の解体
「少年倶楽部」派としての寺山修司
寺山修司+天井桟敷の軌跡
老成していった寺山修司―〈死〉と対決して