内容説明
時にユーモラスな地上性をまといつつも、もはやどこまでもさ迷うことしか許されない書くことの痛ましくも不安な迷宮。詩と散文の可能性を自在に往還する書法でつづった現代詩手帖連載の長篇連作詩集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
四不人
1
学生時代に買って何度目かの再読。詩篇ではあるが、韻文と言うよりは短い散文。幻想小説の断章かシノプシスみたい。幾度も出てくる「青黒い服」「酸模」とか登場人物「K」「A」「妻」、舞台としての大学と病院。天沢さんに詳しい人なら、何のシンボルなのか、誰がモデルなのか判るんだろうか。わかんなくても、豊かなイメージに流されて結局最後まで読んじゃう。冒頭の詩篇Ⅰ酸模青の「さらさらさらさらと さっきから魔物のけはいがする」という書き出しを店頭で読んで、思わず買っちゃったんだっけ、かつて。あの時、手に取って良かった。2020/09/21
渡邊利道
0
80年代の終わりから90年代にかけて現代詩手帖で続けられた連載詩。土地への沈潜と濫觴はいよいよ軽く、行分け詩はいかにも流行歌や実験詩に近づく。時代から遊離する身振りが全て何かの反復であるような独特の在り方は、80年代詩が60年代詩の反復であったのを想起させるアイロニー。2017/02/03
misui
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再読。ちょっともたれる。2010/05/01
misui
0
再読。2009/04/30