内容説明
攻撃性とは生まれた時から誰にも備わっているもので、それが子供の活力を高め、個性化を促し、自分の限界を定める能力を発達させる作用ももつのだ。しかし、その攻撃性の心的消化、現わし方が男女によって異なる。そして、それは正に教育、社会化のあり方によって起こるのだ…。このように説く著者は、現在の男女間の葛藤、さらには人間同士の間の諸問題をいかに解きほぐすかは、ひとえに女性の自立、歴史的に培われてきた男性賛美をやめ,男性よりも理性的で客観的な物の見方をこれまで以上に生かせるか否かにかかっていると、女性たちに呼びかける。
目次
第1章 女性と攻撃性
第2章 攻撃性と性
第3章 男性への憎悪と女性への憎悪
第4章 女性の社会化について
第5章 女性の自己理解について
第6章 母親、父親、パートナーについて
第7章 母親は憎悪の対象か
第8章 中年期と女性の孤独
第9章 精神分析と女性解放
第10章 ナルシシズム、マゾヒズムは女性の典型的特徴か
第11章 反ユダヤ主義は男性の病いか
第12章 父親なき社会における家長
第13章 腹立ちまぎれの演説