感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kawai Hideki
90
旧約聖書のバベルの塔の物語。思い上がった人間が、天まで届く塔の建設を試み、神の怒りに触れて塔は破壊され、お互い言葉が通じあわなくなる、というお話。一方、無邪気に石を積んで遊ぶ子供達が対比として描かれていて、深みがある。それにしても、ちょっとお仕置きがすぎやしませんか、と思う。2015/12/13
空のかなた
22
傲慢な思いはどういう結末を呼び込むのか、静かに語る絵本。ある国のえらい王様は、雲よりも高いりっぱな塔をつくるぞ、そして神様みたいになる、と言って多くの人々を働かせた。でも、神様が怒り、塔は崩れ落ち、人々は言葉が通じなくなってしまった。人々は言葉が通じないせいか、とても昏く猜疑心に満ちた眼をしている。上を向かず、心なしか斜め下を睨んでいるよう。表紙からは想像できない展開でした。2023/11/24
ヒラP@ehon.gohon
17
バベルの塔は聖書でも有名な物語です。 二人の子どもが積み上げる石の塔は知らなかったけれど、無理な物を造ると神の怒りに触れるという訓戒のように思っていました。 バベルの塔を造るまで、世界はひとつ言葉もひとつだったのが、多くの民族と言語に分割されてしまいました。 信者ではない私は、それがその後のいさかいの発生する根源だったと考えたりしてしまいました。 それにしてもバベルの塔ってどのくらい高かったのでしょう。 スカイツリーや世界中の、高さを競う高層建築が、神の怒りに触れなければ良いなと思いました。2015/11/23
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
16
旧約聖書 創世記 11の1~9 の「バベルの塔」のおはなし。神さまになりたくて雲よりも高い塔を望んだ王さま、その願いは叶うことなく、塔は完成せず、世界には色々な言葉ができてしまった。神が「乱された(ヘブライ語でバラル)」ということを、発音が似ているので「バベル」にひっかけているようです。2021/06/08
Cinejazz
11
天を突く高い塔を造らせて、神になろうとした王。 神をも恐れぬ地上の民。 神の怒りにふれた人々は、互いの言葉が通じなくなり、混乱のなか土地を追われ、遠い荒れ野へと散っていくのだった・・・。旧約聖書の「バベルの塔」の逸話を壮麗な絵と語りをとおして、「神様とは?」を問いかけられる絵本。2023/09/11