内容説明
本書は、収集してきた玩具の分析をしながら、全章を通して“玩具と文化と教育の関わり”について述べています。研究編と制作編に分けてあります。前半は「手と造形」「遊びと玩具」について論述してあります。後半には教育と玩具をテーマにして、玩具の視点から見た幼稚園や学校教育の歴史について、明治9(1876)年に我が国最初の幼稚園創設から現在に至る127年間の歴史の中で、玩具が題材としてどう発展してきたのかを概括的に解説しています。さらに、制作編としては中盤に現在国内外で活躍している玩具作家3人と図工の教師が創作玩具のつくり方を紹介しています。続いて、筆者が勤務している東京造形大学の研究生やゼミ生による玩具のつくり方や研究活動等についても併せて紹介しています。
目次
序章 手と造形(人間性回復とものづくり;暮らしを遊ぶクリエイティブ・ライフの提案)
第2章 遊びと玩具(人と遊び;玩具とは)
第3章 世界の玩具(玩具の収集をめぐって;現代の世界の玩具;世界の木製玩具ギャラリー(春日明夫のマイ・コレクションより))
第4章 創作玩具のつくり方(現代日本の玩具作家たちの世界;創作玩具の展開例)
第5章 工作・工芸教育と教材としての玩具(教育玩具の変遷;創作玩具に関するものづくり教育の変遷;近代デザイン運動と玩具;造形美術教育における創作玩具の意義と可能性;レトロな木製玩具図面)
著者等紹介
春日明夫[カスガアキオ]
1953年東京都板橋区生まれ。東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻卒業、卒業制作買い上げ。群馬大学大学院教育学研究科修士課程美術教育学修了(教育学修士)。日本大学大学院芸術学研究科芸術専攻博士後期課程2年在学中(造形理論)。埼玉県立高等学校、東京都公立中学校、国立大学附属中学校の教員生活20年間を経て、東京造形大学助教授。現在、東京造形大学教授、東京学芸大学、武蔵野美術大学非常勤講師。専門は、美術、工芸教育学。研究領域は、玩具工芸学(創作玩具)。美術科教育学会、大学美術教育学会、日本人形玩具学会、日本デザイン学会、造形教育センター、日本おもちゃ会議所属
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