内容説明
本書は初めて直接あるいは間接にしか伝わらなかったガリレイの月の素描を集成し新たに配列しなおしたものである。太陽の黒点をどう理解したものか、1611年から1613年に至るまで継続された分析もまた、優に200を超える素描や銅版画として年代順に配列してある。これによってドイツのイエズス会修道士クリストフ・シャイナーとガリレイによるアルプスをはさんだ論争が、日1日と映画のように追うことができる。ガリレイはこのとき画家仲間のロドヴィコ・チゴリの手助けを得ていた。本書によって著者はトーマス・ホッブスの『リヴァイアサン』に始まり(1999)、ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツの『モナドの窓』(2003)に続いて、図像の力を解する基本人物たちによる初期近世3部作を完結した。芸術史、科学史、哲学史にわたる類例のない、かくもマテリアル満載で、なおかつ議論の鋭角な仕事は、ここに大きな団円を迎えることとなった。
目次
導入:ガリレイの手
「ミケランジェロの再来」ガリレイ
文化批判としての明証性芸術
1600年前後の月
『星界の報告』の月
フィレンツェ版素描
『星界の報告』MLの素描
『星界の報告』製作
太陽黒点の描写スタイル
反省、そして絵画の奨励〔ほか〕
著者等紹介
ブレーデカンプ,ホルスト[ブレーデカンプ,ホルスト][Bredekamp,Horst]
フンボルト大学の芸術史家。ベルリン科学協会永久フェロー
原研二[ハラケンジ]
1978年東京大学人文科学科大学院独文学博士課程中退。名古屋大学教養部ドイツ語講師。1981年ウィーン大学人文学部演劇学科留学(1983・9帰国)。1986年東京都立大学人文学部独文学研究室助教授。1996年東京都立大学人文学部独文学研究室教授。2007年大妻女子大学比較文化学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Galilei
毒モナカジャンボ