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内容説明
学習という名の魔術に一体何が起こったのか。遊びに満ちたイリュージョン、人を魅了するゲーム、生物そっくりの自動機械が教育の本質的一部だった時代がかつて存在した。本書は近代初期に生じたこの魅惑と啓蒙の交叉点、愉楽と逆説に満ちた「楽しい知識」の世界を開示してみせる。18世紀ハイ・カルチャー、ロウ・カルチャー双方の知への脱領域的ガイドをしてくれる本書は口誦‐視覚的文化の持っていた教育戦略に、「新啓蒙時代」たる21世紀にあるべき教育の夢を見る。著者は信じがたく幅広い史料と大衆的図像の数々を駆使して、彼女がかつて『ボディ・クリティシズム』で見事に分析してみせた感覚的認識の問題をもうひとつ別の視点から照射しようとする。世間周知の名画も、「目にもの見させる」デモンストレーションの実験・実演教育の一環だったという画期的な視点から次々と意外な再解釈がほどこされていく。
目次
第1章 精神の解放(「東洋的専制支配」;頭の体操 ほか)
第2章 見えないものが見える(ぺてんのシステム;スレイト・オヴ・ハンド、手先の術 ほか)
第3章 実験室ゲーム(実験というアート;身体トリック ほか)
第4章 エキシビショニズム(自然のスペクタクル;ポリマスたちの珍品キャビネ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あかふく
3
著者解題(訳者高山宏の依頼によって『EYES』に書かれたもの)がついているため内容については分かりやすい。実際に見たということよりも、ある種論理的に、言語によって説明された方が最もらしく感じる。あるいは現象よりも不可視の実体が本質であると考える。こういった形で抑圧されてきた図像の力を18世紀に求め、またそれを復活させることが重要なのではないか、ということが語られる。2013/06/05
こぐ
1
……とにかく読みにくかった。フランスとイギリスの出来事がごっちゃになっていて(注意すれば分かるんですけど)、すっと読んで納得できる類のものであると良かったんですけど。2008/10/12
Rei Kagitani
0
難解だった。著者が天才すぎて話のつながりが追えない部分がかなり。視覚に対する再定義の要求。結びに要点は収斂していた。2013/02/08
Meroe
0
啓蒙の時代、人を騙すあやしい視覚の魔術と手のわざ、科学、実験、知、教育。膨大な図版とともにゆきつもどりつ、境界線がぶれてゆく。すっっごく面白いけど難解。時間が取れるときじっくり読む。2011/11/14